エクター・ド・マリス

エクター・ド・マリス卿(Hector de Maris)は、アーサー王伝説に登場する、円卓の騎士の一人。ベンウィクのバン王の息子であり、円卓の騎士の筆頭であるランスロット卿の弟。なお、アーサー王の養父である「エクター卿」と同名なので、区別するために出身地をつけて「エクター・ド・マリス」と呼ばれる。なお、彼の名がフランス語表記なのは、エクター・ド・マリス自身がフランス人なのと、アーサー王物語がフランスで発展し、イギリスに逆輸入されたさい、フランス語表記がもてはやされたため。 基本的に、行く先も告げずに行方不明になるランスロット卿を捜索するエピソードが非常に多い。そういうエピソードでは、たいていはランスロット卿の引き立て役であるため、これといった活躍はしない。 ただし、武勇にはそれなりに優れているようである。聖杯探求中にお互いそれとは知らずパーシヴァル卿と槍試合をしたさい、自身も重傷を負ったものの、パーシヴァル卿にも瀕死の負傷をさせている。このときは突如現れた聖杯により、たちまちのうち怪我が治癒された。このように、聖杯によりなんらかの恩恵を受けた数少ない人物である(その他、聖杯により恩恵を受けた人物は、狂気が治癒されたランスロット卿くらいのものである)。 その後の聖杯探求においては、ガウェイン卿としばらく旅を続ける。結局のところ、聖杯は手に入らなかったのでキャメロットに帰還した。 物語の終盤、ランスロット卿による内乱が起きるとランスロット派に所属。同じくタカ派のボールス卿とともに、あまりやる気のないランスロット卿に対してたびたび意見した。アーサー王とランスロット卿の間に和議がなると、ランスロット卿からベンウィクとギエンヌの王に封じられる。しかし、エクター・ド・マリスはランスロット卿が行方不明になると、7年掛の間ランスロット卿を探すため、イングランドやウェールズを探し回った。だが、結局のところ、ランスロット卿の死に目に会うことはできなかった。その後は、ランスロット卿の遺言で聖地回復のため、トルコ人との戦いに出発したボールス卿らに同行。聖金曜日に死亡した。 .