GSM
GSM
GSM (Global System for Mobile Communications) は、FDD-TDMA方式で実現されている第二世代携帯電話(2G)規格である。
日本と大韓民国を除く全世界で使用されている。2008年現在、全ての携帯電話方式の中で世界で最も使われている。世界の携帯電話端末市場の82%はGSM方式であり、世界の212ヵ国で約20億人が利用している。
基本的には第二世代携帯電話(2G)に属するが、GPRSの拡張データ通信を含むことで第2.5世代と呼ばれ、更に上位のEDGEを含むことで第2.75世代と呼ばれる。また、その上のEDGE Evolutionでは第3世代に近いデータ転送速度が出せる(後述)。現在ではGSMネットワークにおいてGPRSは一般的であり、EDGEも多くの地域で利用できる。
GSM方式のSIMロックされていない端末を一台持っておくと、世界のほとんどの国で、現地の事業者の発行するSIMカードを格安の料金で買い求めて、現地の携帯電話として現地の電話料金で携帯電話を使用できる。多くの国では空港に携帯電話会社のサービス窓口があり、プリペイドSIMカードを入手しすぐに使用を開始できる。
そのほか、
などの特徴をもつ。
また、GSMを採用した携帯電話キャリアは3G方式にW-CDMA (UMTS)を選択する傾向が高く、これを3GSMと呼ぶこともある。
各国で異なるアナログ方式でサービスが行われていた欧州において、1982年に欧州郵便電気通信主管庁会議(CEPT:Conference of European Postal and Telecommunications administration)が GSM(Groupe Speciale Mobile)でデジタル方式携帯電話の統一規格の策定を開始した。1987年に統一規格として採択され、1992年にドイツで初のサービスが開始された。
欧州各国で採用され、大量生産されたためシステムが安価となった。また、メーカー・欧州の標準化機関が一体となって他の地域でも採用されるように働きかけを行ったため、広く普及した。
日本のキャリアでは、ソフトバンクモバイル、NTTドコモの多くの機種とauの一部機種が対応する。GSMネットワークの一部の周波数に対応しているため、そのまま海外で国際ローミングが可能である(詳細は日本国外で使用可能な携帯電話端末の一覧参照)。 海外での発信時には2倍近くの料金が発生し、また着信するだけで半額分の料金が発生する。データ通信料は100円程かかる。
使用される周波数帯には、主に次の4つがある。
もともとのGSM規格は、900MHzからスタートし、周波数枠を広げるために、ついで、1800MHzが使われた。南北アメリカは、周波数割り当てが異なったため、これらの地域では、1900MHz,850MHzでGSMが使われる。
900/1800MHz帯に対応した携帯電話機をデュアルバンド(Dual-band)機、900/1800/1900MHz帯に対応した携帯電話機をトライバンド(Tri-band)機、850/900/1800/1900MHz帯に対応した携帯電話機をクワッドバンド(Quad-band)機と呼ぶ。なお、北米向けでは850/1800/1900MHzというものもあり、これもトライバンドと呼ばれることがあるが、一般的にはトライバンドといえば前記のものを指す。
日本と韓国以外の世界中で最低一つ以上の周波数帯域が割り当てられている。
PDC・D-AMPSと比較して、多重化チャネル数が多く基地局が安価である。また、単一搬送波でより高速なデータ通信が可能である。しかし、周波数帯域利用効率はやや劣る。
複数の半導体素子メーカーが安価なチップセットを大量に製造しており、端末の製造を容易にしている。また、多くの端末メーカーが存在し、競争が非常に激しい。
8PSKの変調が追加されたEDGEの音声である。
CSD (Circuit Switch Data)。GSMの回線交換データ通信9.6kbps。オプションで14.4kbps。
HSCSD (High Speed Circuit Switch Data)。GSMの高速回線交換データ通信、最大57.6kbps。1つ9.6kbpsまたは14.4kbpsの回線交換スロットを4つまで束ねる事ができる。
ECSD (Enhanced Circuit Switched Data)。HSCSDを拡張した規格。最大345.6kbps。3倍程度高速化された1つ43.2kbpsの回線交換スロットを8スロットまで束ねる事ができる。
GPRS (General Packet Radio Service)。GSMのパケットデータ通信、最大スループット171.2kbps。1つ21.4kbpsのパケットスロットを8スロットまで束ねる事ができる。
EDGE (Enhanced Data Rates for GSM Evolution)もしくはEGPRS(Enhanced GPRS)、IMT-SC (IMT Single Carrier) はGRPSを拡張したパケット通信規格。デジタル変調方式に八位相偏移変調(8PSK)を使用している。最大スループット473.6kbps。3倍程度高速化された1つ59.2kbpsのパケットスロットを8スロットまで束ねる事ができる。
3GPPのrelease 7で追加された2搬送波を使う仕様を従来のEDGEとの組み合わせのみで使う。従来通り8PSKのみなのでノキア・シーメンスの基地局の無線機のハードウェアは同じままソフトウェアのバージョンアップのみで592kbpsに対応できる。
EDGE EvolutionはEDGEをさらに高速化したもの。3GPPのrelease 7で追加された。デジタル変調に8PSKの代わりに16QAMまたは32QAMを用いる。1Mbps程度のスループットが得られるとしている。これは第三世代携帯電話に匹敵するスピードである。2009年開始予定。
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